ハーレーのエンジン史を紐解く上で欠かせないのが、ロッカーアームカバーの形状に由来する愛称で親しまれてきた空冷OHV(オーバーヘッドバルブ)の系譜です。サイドバルブ時代を経て1936年に登場したナックルヘッドを皮切りに、パンヘッド、ショベルヘッドへと受け継がれた基本設計は、アメリカの広大な大地をクルージングするための豊かなトルクを追求し続けてきました。
1980年代に入ると、経営危機を打破すべく開発されたエボリューションが登場し、オールアルミ化によって信頼性と耐久性が飛躍的に向上。その後、環境規制の強化とさらなる排気量拡大に応えるため、カムシャフトを2本に分けたツインカム、4バルブ化を果たしたミルウォーキーエイトへと進化を遂げます。近年のハーレー排気量推移を振り返ると、1970年代の1200cc(74ci)や1340cc(80ci)から、現代では1923cc(117ci)や2000cc超の121ci(1977cc)が標準的なフラッグシップとなるなど、驚異的なパワーアップを遂げています。