「クラシックミニは壊れやすい」という風説は半ば事実であり、半ば誤解です。ローバーミニ故障と修理対策を語る上で欠かせないのは、半世紀以上前の設計思想を持つ車両を、現代の過酷な道路環境で走らせているという前提の理解です。同店が提唱する主要トラブルの根本原因と、その対策アプローチを整理します。
第一の壁は「熱害とオーバーヒート」です。フロントに横置きされたAタイプエンジンは、限られたエンジンルーム内にラジエーターが右サイド向きに配置されており、現代の日本の猛暑や渋滞を想定した設計にはなっていません。キャメルオートでは、定期的な「水路洗浄」によって冷却水路内のサビやスラッジを除去し、サーモスタットの開弁温度テストやファンスイッチの作動温度を計測器で検証。冷却系の性能を限界まで引き出すことで、夏季のオーバーヒートを未然に防ぐ処方を徹底しています。
第二の壁は「オートマチックトランスミッション(AT)のトラブル」です。ミニのATは、オイルフィルターの目詰まりや油圧低下、内部のスリップによって前進不能やリバースギア抜けといった致命傷に発展することがあります。キャメルオートがレース活動を通じて培ったAT対策は業界内でも突出しており、油圧の精密測定や磁気フィルターによるスラッジ回収の徹底など、壊れる前の予兆をデータで捉える診断技術が確立されています。
第三の壁は「足回りとサスペンションのヘタリ」です。金属スプリングではなくゴムの塊(ラバーコーン)をスプリング代わりに採用しているミニは、経年劣化によって車高が下がり、乗り心地が極端に悪化します。定期的なグリスアップ(グリスポイントへの注入作業)を怠ると、ボールジョイントが摩耗して脱落の危険すら生じます。これらを定期点検のルーティンに組み込み、オーナーの目の前でグリスを注入する姿勢が、深刻な足回り破損から車両を守っています。