厚生労働省が公表する年間発生統計を紐解くと、細菌性食中毒の発生件数は依然として高水準を維持している。全国の保健所に寄せられる相談事例の中でも、半熟卵や生の肉類を起因とするサルモネラ属菌の感染事故が目立つ。十分な熱処理がなされていない肉汁や液卵が他のおかずに接触する二次汚染も主原因の一つだ。
保健所の現場担当者が指摘するのは、家庭内調理における交差汚染の看過である。生の鶏肉を切ったまな板や包丁を十分に洗わず、そのまま卵焼きやブロッコリーを切ってしまうケースが多い。微量の菌であっても、お弁当という密閉された温かい環境下では数時間で発症致死量に達するリスクがある。