近代化を進める日本において、日章旗と並んで大きな存在感を示したのが「旭日旗」である。太陽から光線が放射状に伸びる意匠は、陸軍の軍旗や海軍の軍艦旗として採用された。世界の旗章学(ベキシロロジー)の観点から見ても、単一の国家が用途に応じて複数の象徴旗を使い分ける事例は珍しくない。
日章旗が「国家の静かな威厳」を表現するとすれば、旭日旗は「軍事的な象徴と活力」を担っていた。この二つのデザインが併存した時代背景には、急速な西洋化と軍国化の波の中で、自国の存在感を国際社会に強く主張しようとした明治政府の意図が色濃く反映されている。