歴史の皮肉と言うべきか。かつて「米の代用品」とみなされていた大麦やオートミール、もち麦などの雑穀は、現代において全く異なる立ち位置を獲得している。食物繊維が豊富で血糖値の上昇を抑える健康食材として、若者や健康意識の高い層を中心に空前のブームが定着したからだ。
市場では、オーガニックのオートミールや国産の高品質もち麦が、精白米以上のキロ単価で取引されるケースも珍しくない。かつての「麦=貧しい食事」という構図は崩壊し、むしろ「余裕のある人が選ぶヘルスケア食材」へと変貌を遂げた。貧窮ゆえに安価な食事を探そうとしても、今や健康的な雑穀すら簡単に手に入らないという二重の壁が立ちはだかる。