では、古くからある「木漏れ日」と「葉もれ日」にはどのようなニュアンスの違いがあるのでしょうか。両者の決定的な違いは、視線のフォーカスと光のスケール感にあります。
「木漏れ日(木洩れ日)」の語源は、「木(こ)」+「漏る(もる)」+「日(ひ)」の連濁です。森林や並木道など、幹や枝葉を含めた木立全体を通して地上に降り注ぐ光の情景を広く描写する際に使われます。古くは平安時代の和歌にも通じる、日本の伝統的な自然観を象徴する言葉です。
これに対して「葉もれ日」は、カメラのレンズをぐっとズームしたかのように、青葉や紅葉の「葉の重なり」そのものに視点を当てています。葉脈が透けるほどの薄い葉の間や、風に揺れる枝先の葉陰からキラキラと零れ落ちるような、より小さく繊細な光のきらめきを表現したいときに選ばれる傾向があります。