クロロの人物像を決定づけた最大の要素のひとつが、声優による声の演技です。1999年版を担当した永野善一氏と、2011年版を担当した宮野真守氏のアプローチは対照的であり、双方の解釈の違いがキャラクターの魅力を二分しています。
永野善一氏が演じた旧作クロロは、劇中で大声を張り上げる場面がほとんど存在しません。音響監督・平光琢也氏のディレクションのもと、ボソボソとした呟きに近いウィスパーボイス、抑揚を極力排除した平坦なトーンで台詞が紡がれました。この「感情の起伏のなさ」こそが、他者の命を奪うことにも自身の死にも等しく頓着しない、サイコパスとしての底知れぬ凄みを生み出していました。
一方、2011年版の宮野真守氏は、幻影旅団という異能集団を束ねる「知性派の若きカリスマ」として、明瞭かつ凛とした堂々たる演技を披露しています。王道少年ジャンプアニメのボスキャラクターとしての風格と説得力において、極めて完成度の高い芝居を提示しました。