日本の正月文化は地域ごとに驚くほど多様であり、お正月のお雑煮地域別の味付け比較を行うと、だしの使い方にも明確な境界線が存在します。白だしは、そのどちらの流派にも自由自在に適応できるポテンシャルを秘めています。
まず、白だしで作る関東風お雑煮の王道スタイルです。角餅をこんがりと香ばしく焼き上げ、小松菜(または青梗菜)、下茹でした大根、金時人参、そして霜降り鶏もも肉を澄んだ白だしつゆと合わせます。焼いたお餅の焦げ目から立ち上る香ばしさと、かつおだしのシャープなキレが絡み合い、飽きのこない潔い旨さが際立ちます。
対して、白だし雑煮関西風アレンジでは、丸餅を煮込むスタイルを基調とします。白味噌仕立てが有名な関西風ですが、近年では「白味噌は甘すぎて飽きる」「もっとあっさり食べたい」という層を中心に、白だしをベースに少量の白味噌や豆乳を溶かし入れた「ハイブリッド仕立て」が急増しています。昆布のまろやかさを効かせた白だしに、丸餅の柔らかな食感と里芋のねっとりとした風味が溶け合い、身体の芯から温まる優しい甘みが広がります。