『今日から俺は!!』という作品において、今井勝俊という男の存在感は主人公の三橋貴志や伊藤真司に勝るとも劣りません。近隣の不良から恐れられる紅羽高校の番長であり、巨躯から繰り出される怪力は作中屈指の破壊力を誇ります。車を持ち上げるほどの怪力を持ちながら、その性格は驚くほど純真無垢。女性にはめっぽう弱く、おだてられれば簡単に木に登る単細胞でありながら、なぜファンは彼を「最高にかっこいい」と絶賛するのでしょうか。
最大の理由は、彼が体現する「不器用な正義感と筋の通し方」にあります。三橋が「勝てば官軍」とばかりに目潰しや騙し討ちを平然と繰り出すのに対し、今井は常に正面突破を選びます。卑劣な手口を嫌い、どれほど多勢に無勢の危機的状況であっても決して仲間を裏切りません。極悪非道で知られる開久高校の不良たちに囲まれた際にも、後輩や相棒を庇って一人で盾となり、血まみれになりながらも仁王立ちで敵を睨みつける姿は、まさに王道のヤンキーヒーローそのものです。
また、今井の男気は言葉ではなく「背中」で語られます。原作・実写双方で描かれた名シーンにおいて、理不尽な暴力で仲間が傷つけられた際、今井は一切の損得勘定を捨てて激昂します。「俺のツレに何しやがった」という静かな怒りから放たれる一撃には、普段のコミカルな姿との強烈なギャップがあり、この振り幅こそが読者の情緒を激しく揺さぶる要因となっています。