学費がどれほど安価であっても、肝心の教育内容と就職先が伴っていなければ意味がありません。熊本県立高等技術専門校の強みは、産業現場の要請に直結したカリキュラム設計にあります。
自動車整備科:実技試験免除で挑む国家2級への最短ルート
自動車産業を支える即戦力を育てる自動車整備科(2年課程)は、国土交通大臣指定の整備士養成施設となっています。修了時には実技試験が免除され、学科試験のみで二級自動車整備士(ガソリン・ジーゼル)の国家資格取得を目指せます。就職先には、トヨタ・日産・ホンダ・マツダなどの各系列ディーラーをはじめ、大型商用車ディーラーや優良整備工場がズラリと並びます。近年普及が進むハイブリッド車やEV(電気自動車)に対応した整備知識の習得にも力が注がれており、求人倍率は常に生徒数を大きく上回っています。
機械エンジニア科:TSMC進出で沸く半導体サプライチェーンの主役に
同校において現在もっとも熱い注目を浴びているのが機械エンジニア科です。CAD/CAMを用いた設計図面の作成から、NC旋盤やマシニングセンタといった最新工作機械のオペレーション、精密加工技術までを徹底的に叩き込まれます。熊本県菊陽町を中心とする半導体工場の稼働に伴い、半導体製造装置の治具製造や精密部品加工、機械保全を担う技術者の需要が爆発しています。修了生は県内の優良機械・金属メーカーや装置保守企業へ高待遇で迎え入れられるケースが相次いでおり、理系出身者でなくともモノづくりのコア人材として巣立っています。
建築技術科(総合建築科):伝統大工技能から二級建築士への足がかり
木造建築の構造力学から墨付け・刻みといった伝統的な大工技術、CAD製図までを総合的に学ぶのが建築技術科です。同校は中学校卒業者を対象とした「総合建築科」も設置しており、若年層から職人としての基礎を叩き込む体制が整っています。木造建築士や二級建築士の実務経験年数短縮といった資格上の恩恵に加え、地元ハウスメーカーや老舗工務店、ゼネコンへの就職実績が豊富です。建築業界の人手不足・職人の高齢化が社会問題化する中、若き技術者として重宝されるルートが確立されています。