坂口杏里さんをめぐる報道では、「大女優の母が遺した数十億円の遺産を、娘がホストクラブ通いであっという間に使い果たした」というセンセーショナルな言説が定着しています。しかし、この言説には重大な事実誤認が含まれています。
第1に、前述の通り坂口良子さんは前夫の40億円に及ぶ連帯保証債務を自らの力で返済し終えたばかりであり、莫大な余剰資産を潤沢にプールしていたわけではありませんでした。さらに、長期にわたるがん治療の高度先進医療費や差額ベッド代、住居の維持管理費などを差し引くと、遺産として残された正味の金融資産は世間がイメージするほど天文学的な数字ではなかったと関係者は証言しています。
第2に、杏里さんが多額の負債を抱えた直接の契機は、遺産を使い切ったことそのものよりも、母の死後に急激にエスカレートしたホストクラブでの過剰な売掛金(ツケ払い)契約でした。1晩で数百万円単位のシャンパンタワーを注文し、月に1,000万円を超える請求を抱えるなど、自身の収入と支払い能力を著しく超えた信用取引に巻き込まれたことが、破綻的な借金生活を招いた実態です。