ハリセンボンの定番ネタとして誰もが知るこのフレーズですが、その発端は2000年代中盤のバラエティ番組での突発的なやり取りに遡ります。当時、デビュー間もない近藤春菜に対し、くりぃむしちゅーの有田哲平をはじめとする先輩芸人たちが、彼女の眼鏡姿とふくよかなフェイスラインを見て「角野卓造さんですよね?」とイジったことが直接のきっかけでした。
当時、国民的人気を誇っていたTBS系ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』で、中華料理店「幸楽」の店主・小島勇を熱演していた角野卓造の風貌と、春菜のビジュアルが奇跡的な一致を見せていたのです。振られた瞬間に声を荒らげて否定するキレ芸のテンポ感と、誰もが思い当たる絶妙な似具合が瞬く間に爆笑を生み、ハリセンボンをブレイクへと押し上げる原動力となりました。
以後、マイケル・ムーア監督やステラおばさんなど多彩なバリエーションが派生したものの、その原点にして金字塔であり続けたのが「角野卓造」という大名跡でした。テレビ局関係者の証言によると、現場のディレクター陣が最も頼りにする確実な撮れ高として、台本に最初から「角野振り」が組み込まれるほど定番化していった経緯があります。