「Wherever you are」の美しさは、シンプルでありながら計算し尽くされたコードプログレッションと、ダイナミックな声域のコントロールにあります。
楽曲のキーは原曲でEメジャー(ホ長調)。基本となるギターコード進行は「E - B - C#m - A」を中心とした、いわゆる「王道のポップパンク・パワーバラード進行」です。アコースティックギター1本でも非常に響きが豊かで、初心者でも比較的押さえやすいオープンコードが多用されているため、アコギ弾き語りの定番曲としても親しまれています。
一方、ボーカルの歌唱難易度は極めて高く設定されています。本曲の音域は低音のmid1D#(D#3)から地声最高音hiA(A4)、さらに繊細なファルセット(裏声)ではhiC(C5)周辺まで到達します。Aメロでは語りかけるようなウィスパーボイスで低中音域を響かせ、サビの「愛してるよ」に向けて一気に声圧を上げながら地声とミックスボイスの境界を駆け上がる構成が、聴き手の感情を強く揺さぶるのです。
また、本作を語る上で外せないのが公式に記録された数々のライブ映像です。2013年の横浜アリーナ公演(『人生×君=』TOUR)や、伝説となった2016年の静岡・渚園野外スタジアムライブ(『ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN』)で見せたアコースティック編成での歌唱は、スタジオ音源を凌駕する熱量と即興アレンジが施されており、バンドの演奏力の高さを決定づける証拠となっています。