かつてジャニーズJr.に入所したばかりの頃、田中樹にとって聖は「最も身近にいる絶対的なスター」でした。当時KAT-TUNとして飛ぶ鳥を落とす勢いだった聖は、10歳年下の樹を溺愛し、仕事終わりに洋服を買い与えたり、仕事現場へ連れて行ったりと、惜しみない愛情を注いでいたことは有名な話です。
樹もまた、兄のお下がりを大切に着こなし、テレビ番組や雑誌のインタビューで「兄貴が一番かっこいい」と公言して憚りませんでした。反抗期にあっても兄への敬意だけは揺らがず、ステージでの立ち振る舞いやMCの度胸など、多くの技術を目で盗みながら成長していきました。この少年時代の温かな原体験があるからこそ、後年どれほど過酷な状況に直面しても、兄弟の精神的な絆が完全に消え去ることはなかったのです。