ネット上の簡易的なマナー解説記事では「社外に対してはすべて弊社を使えば間違いがない」という極論が見られますが、これは完全な誤解です。現実のビジネス実務には、社外に向けた発信であっても当社を使う公的文書が明確に存在します。
その筆頭が、プレスリリース、有価証券報告書、決算短信、利用規約、契約書、訴訟関連書類です。これらの文書は、特定の取引先に対するへりくだった挨拶状ではなく、不特定多数のステークホルダーや法的な場に対して「企業という法人格が客観的な事実を公表する」性質を持っています。
たとえば、プレスリリースで「弊社は新サービスを立ち上げました」と書くのは、社会的に稚拙な印象を与えます。社会全体に対して公平かつ厳格に事実を伝える場では、感情や謙譲を排した「当社は新サービスを発表いたします」という表現が国際的にも標準です。ビジネスマナー最新版の知見として、「社外=すべて弊社」という思考停止を脱し、発信媒体の法的・社会的性質を精査する姿勢が求められます。