華やかなマイクリレーの舞台裏は、極度の緊張と混乱に満ちていました。生放送中に発生した数々のハプニングの真相を探ると、当時の過酷な制作環境が浮かび上がってきます。
特に視聴者の記憶に強く残っているのが、オープニングでの歌詞忘れです。歌手たちは多忙を極めるスケジュールの合間を縫ってスタジオ入りしており、本番直前に割り振られた他人の楽曲を短時間で覚えなければなりませんでした。スタジオ内にはカンペが出されていたものの、照明の反射や立ち位置の関係で見えなくなるケースが多発しました。歌詞が完全に飛んでしまい、ハミングや苦笑いで乗り切ったシーンや、とっさに適当な言葉を当てはめて歌い切った場面は数知れません。
また、機材トラブルや立ち位置の誤認による生放送のアクシデントも日常茶飯事でした。マイクの音声が入らないトラブルでは、隣にいた歌手が素早く自分のマイクを差し出したり、直前の歌唱が長引いて紹介尺が数秒しか残らない中で、司会者が早口で帳尻を合わせたりする光景が幾度も見られました。こうした突発的な事態を切り抜けるプロ同士の連帯感こそが、番組の生々しい魅力を倍増させていたのです。