早朝の稽古場に足を踏み入れると、ピンと張りつめた緊張感が全身を包み込む。土俵の傍らで眼光鋭く弟子たちの動きを見つめるのは、湊川親方その人だ。稽古場における指導方針は至って明快。「ただ時間をかけて体を痛めつける稽古はしない。一瞬の立ち合いに全全力を注ぎ込める体作りと精神力を練り上げること」。それが、過酷な土俵を経験し抜いた彼が出した答えだった。
稽古の合間には、最新のデータを用いた立ち合いの角度や体幹の使い方についての個別指導が行われる。土俵上の厳しさとは対照的に、稽古が終われば親方自らが弟子たちと食卓を囲み、フランクに会話を交わす姿が印象的だ。心身の両面から力士を育むこの新体制こそが、早くも角界関係者の間で注目を集める最大の理由と言えるだろう。