調理現場のリサーチにおいて、最も多くの誤解が見られたのがそら豆を茹でた後に水につけるべきか否かという問題です。
ブロッコリーやほうれん草の感覚で「色止めのために冷水や氷水につける」という手法がネット上で散見されますが、これはそら豆においてはNG行為です。切れ目を入れたそら豆を真水につけると、浸透圧によって水分を過剰に吸収してしまい、せっかく決まった塩味が抜け落ちて水っぽくベチャついた仕上がりになります。
料亭で行われるそら豆の茹で方のプロの技は、ざるに重ならないよう平らに並べ、うちわや扇風機の強風を直接当てて一気に熱を奪う「陸冷まし(おかざまし)」です。気化熱を利用して数分で人肌以下まで急冷させることで、色鮮やかなグリーンを定着させつつ、表面のハリを完璧にキープできます。
また、そら豆は「収穫後3日で味が落ちる」と言われるほど鮮度劣化が激しい野菜です。食べきれない場合のそら豆の冷凍保存方法としては、固め(約1分)に茹でて完全に冷ました後、ペーパータオルで水気を徹底的に拭き取り、重ならないように密閉保存袋へ入れて冷凍庫へ入れます。調理時は凍ったままスープや炒め物に投入するか、熱湯に1分くぐらせるだけで旬の美味しさが蘇ります。