時代は高度経済成長期の終焉。大型スーパー全盛のなかで、1974年5月開業を果たしたこの店舗の滑り出しは、決して祝福されたものばかりではなかった。小さな店舗面積で、定価販売を基本とし、朝7時から夜11時まで営業する――。当時の小売業の専門家や流通関係者の誰もが「日本の風土には合わない」「絶対にすぐ潰れる」と冷ややかな視線を送っていた。
記念すべき最初の売上商品は、わずか80円の8ミリフィルム。初日の来店客数は予想を遥かに超える賑わいを見せ、棚の商品があっという間に消え去った。人々が求めていたのは、単なる安売りではなく「いつでも近くで手に入る便利さ」だったのだ。この日の熱狂が、後に巨大なライフスタイル産業へと昇華する最初の確かな一歩となった。