夏の公園で見つかるセミの幼虫や抜け殻ですが、一見するとどれも同じ茶褐色のフォルムに見えます。しかし、細部の形状や光沢に着目すると明確に識別できます。特に見分けが難しいとされる「アブラゼミとミンミンゼミの幼虫見分け方」および「セミの抜け殻の見分け方」のポイントを整理します。
識別の最大の鍵となるのは、頭部にある触角(アンテナ)の節(ふし)の長さと太さの比率です。
- アブラゼミの幼虫・抜け殻:触角の第3節が太く、第2節と同じかそれ以上の長さがあります。全体的に光沢が強く、赤褐色でツヤツヤしているのが特徴です。
- ミンミンゼミの幼虫・抜け殻:触角の第3節が細長く、第2節の約2倍の長さがあります。体表はやや粉をふいたようなマットな質感で、淡い黄褐色をしています。
- ヒグラシの抜け殻:全体的に細身で華奢。飴色のような薄い透明感のある褐色で、触角の毛が目立ちます。
- クマゼミの抜け殻:非常に大型で横幅があり、背中に緑白色の筋が入ることがあります。触角の節に目立った太さの偏りがありません。
- ニイニイゼミの抜け殻:全体が丸っこく小型で、体表全体に泥がびっしりと固着しているため一目で判別可能です。
セミの幼虫のエサは、地中に張り巡らされた樹木の根から吸い上げる道管液(どうかんえき)です。成虫が吸う師管液(糖分を多く含む樹液)とは異なり、道管液はほぼ水分でアミノ酸などの栄養素が極めて希薄です。この極小の栄養源から体を大きく育てる必要があるため、数年という長い年月を暗黒の地下で過ごさざるを得ない仕組みになっています。