読者の記憶に強く刻まれているのが、「雪走」の喪失と「秋水」の返還劇です。いずれも単なる武器の交代ではなく、ゾロという剣士の価値観と物語の必然性が色濃く反映されています。
雪走 破壊 経緯は、エニエス・ロビーにおけるバスターコール発動中の出来事でした。海軍本部大佐シュウが操る「サビサビの実」の能力によって刀身を急速に酸化・腐食させられ、修復不可能なまでにボロボロに砕かれてしまったのです。ゾロはその後、スリラーバーク編においてルンバー海賊団の墓地の傍らに雪走を丁重に埋葬し、供養を行いました。道具を粗末に扱わず、命あるものとして敬意を払うゾロの美学が如実に描かれた名場面です。
一方、秋水 返還 理由には、ワノ国という国家の歴史と侍の誇りが深く関わっています。秋水は数百年前、ワノ国を黄金の国として外敵から守り抜いた「刀神様」こと霜月リューマの愛刀であり、ワノ国の揺るぎない国宝でした。ゲッコー・モリアによる墓荒らしで奪われて以降、国が衰退した元凶と信じられていたため、ワノ国の民にとって秋水の帰還は悲願だったのです。
光月日和から「秋水の代わりに、父・光月おでんの形見である名刀・閻魔を譲る」と提案された際、ゾロはリューマの墓へ秋水を返す決断を下しました。かつてリューマの魂から実力で譲り受けた刀でありながら、死者の尊厳と国の象徴を尊重した潔い選択でした。