長年にわたり受験界に君臨する名著だからといって、万人に適した教材などは存在しません。昭和から平成にかけて定着した「有名進学校の生徒がみんな持っているから」というブランド信仰に縛られると、貴重な受験期の数か月を棒に振ることになります。
自らの現状と志望校を見据え、本書を採用すべきか否かの客観的な判断基準を明確にしておきましょう。
【本書を今すぐ手に入れるべき受験生】
・難関国公立大学の二次試験で、本格的な下線部和訳や内容説明の記述問題が出題される人
・早慶、上智、MARCH上位学部を目指しており、英文の抽象度が高くなると内容を見失ってしまう人
・単語や文法、短い構文解釈は一通り終えたが、模試の長文読解で頭打ちを感じている人
・知的好奇心が旺盛で、教養価値の高い骨太な英文をじっくり味わいながら読み解きたい人
【本書の購入を一度立ち止まり、他の教材を検討すべき人】
・模試の偏差値が50未満で、中学英文法や基礎英単語の定着にまだ不安がある人
・すべての英文にSVOCやスラッシュが振られていないと自力で読めない人(※『関正生のThe Rules』シリーズや『英語長文ポラリス』等の解説充実型が適任)
・私立大のマーク式スピード勝負の学部や、共通テストのリーディングのみで高得点を狙いたい人
教材の難易度に自分のプライドを合わせるのではなく、現在の学力地点と志望校の出題傾向に合致した武器を選択することこそが、受験戦略における最大の合理性です。