フットサルとサッカーを隔てる最大の物理的要因は、使用するボールの跳ね方(反発係数)とピッチサイズの設計思想にあります。一般的にサッカーでは中学生以上から大人まで外周68〜70cmの「5号球」が使用されますが、フットサルでは外周62〜64cmの「フットサル用4号球」が指定されています。単にサイズが小さいだけでなく、内部に綿や特殊合成素材を充填することで、2メートルの高さから落下させた際の初回バウンドが50〜65cm(サッカーボールは約135〜155cm)に厳格に抑制されています。
日本サッカー協会(JFA)の用具規定関係者によると、「狭いクローズドエリアかつ硬いフローリングや人工芝ピッチにおいて、ボールが過度に跳ね上がるとプレーが空中戦に偏り、選手の頭部接触事故や打撲リスクが跳ね上がる。足元での精密なボールコントロールとスピーディなパスワークを意図的に促すための安全設計である」と説明されています。
また、シューズの規格も明確に分離されています。サッカーでは天然芝・土用の固定式・取替式スタッド(スパイク)を着用しますが、フットサルコートでは体育館の床を傷つけないノンマーキング仕様のフラットソール(飴色または白底のインドアシューズ)、または毛足の短い人工芝専用のターフシューズ(TF)が義務付けられており、サッカースパイクの着用は原則として厳禁です。