華やかな芸能生活の裏で、小林旭の私生活はまさに波乱万丈の連続でした。中でも世間を驚かせたのが、1962年の「歌姫」美空ひばりとの電撃結婚です。世紀のビッグカップル誕生と騒がれ、盛大な結婚披露宴が執り行われましたが、入籍はされないままの事実婚状態でした。
互いに強い愛情で結ばれていたものの、双方の芸能活動を取り巻く巨大な利害関係や環境の違いから軋轢が生じ、わずか1年半余りで別離を決断。1964年の離婚会見で彼が残した「ひばりは僕の妻だが、彼女は日本の美空ひばりだった」という言葉は、昭和の芸能史に刻まれる切ない名言として今も語り継がれています。
その後、1967年に元女優の青山京子さんと結婚。青山さんは結婚を機にきっぱりと芸能界を引退し、多額の負債やトラブルに巻き込まれた時期も夫を一途に支え続けました。ふたりの間には長女・真佐代さんと、後に俳優としても活動した長男・一路(かずみち)さんが誕生し、温かな家庭を築き上げました。2026年に青山さんが肺がんのため84歳で旅立った際、小林旭が見せた深い悲しみと感謝の涙は、半世紀以上にわたる夫婦の強い絆を物語っていました。