ネット上の民間療法には、医学的に逆効果となる危険な誤解が紛れ込んでいます。睡眠を守るために知っておくべき3大盲点を整理します。
誤解1:「冷え性だから熱いお風呂でじっくり温めれば治る」
血行促進は重要ですが、熱すぎる湯船(42℃以上)に長く浸かると、交感神経が急激に刺激され、体温が下がる就寝時に末梢血管の急激な収縮・拡張のギャップが生じて神経過敏が悪化します。また、炎症性の知覚異常が起きている場合は、温めるよりも冷湿布や冷水シャワーで患部を一時的に冷やす(クーリング)ほうが劇的に不快感が収まるケースも多々あります。
誤解2:「市販の睡眠改善薬を飲めば無理やり眠れる」
ドラッグストアで手に入る市販の睡眠改善薬の多くはジフェンヒドラミン塩酸塩などの「抗ヒスタミン薬」が主成分です。前述の通り、抗ヒスタミン成分はむずむず脚症候群の症状を爆発的に悪化させる代表的な薬剤です。「眠りたいのに足が暴れて地獄を見た」という事故の大半は、この市販薬の誤用によるものです。
誤解3:「鉄分サプリメントを大量に飲めば自力で完治できる」
フェリチン不足が原因だからと、自己判断で高用量の鉄サプリを過剰摂取するのは極めて危険です。鉄は体外に排出されにくいミネラルであり、過剰摂取は肝機能障害や消化器症状(重度の便秘・胃痛)、ヘモクロマトーシスを引き起こすリスクがあります。必ず医療機関で血液検査を受け、適切な処方薬を適切な期間服用しなければなりません。