「はないちもんめ」の裏に隠された恐ろしい意味と真の語源に迫る

「はないちもんめ」の裏に隠された恐ろしい意味と真の語源に迫る

「はないちもんめ」の裏に隠された恐ろしい意味と真の語源に迫るの基本情報から最新動向までを一挙に解説しました。

日本の民俗学を切り拓いた柳田國男は、著書や論考の中で地域固有のわらべ唄や童話の変容過程を丹念に追跡した。柳田の知見を継承する日本民俗学会の実証研究においても、「はないちもんめ」の起源に関する学術的な解釈が提示されている。

民俗学の見地において、「花一匁」の「花」は人間の子どもではなく、当時取引されていた「草花」や「綿花」、あるいは「値段の駆け引きそのもの」を指していたとする説が極めて有力だ。「一匁の価値しかない花を買う」「安く叩かれたから悔しい」「高値で買えたから嬉しい」という、市(いち)における商取引の疑似体験が、子どもたちの集団遊びとして定着したという見方である。

中世から近世の商業都市や農村において、子どもたちは大人の経済活動を模倣することで社会の仕組みを学んでいた。歌の中に残された「値段を競う」言葉の残滓が、時代を経るにつれて言葉遊びへと変化し、やがて怪談話と結びつくことで「人身売買説」へと飛躍したと考えられる。民俗学の視点は、恐怖のセンセーショナルな装飾を剥ぎ取り、生活に根ざした庶民のたくましさと歴史のダイナミズムを浮かび上がらせる。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。