カノン進行の曲はなぜ泣ける?J-Pop名曲の真相とヒットの法則

カノン進行の曲はなぜ泣ける?J-Pop名曲の真相とヒットの法則

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SNSや音楽コミュニティでは定期的に、「ヒット曲がカノン進行ばかりなのは手抜きではないか」「また同じコード進行か」といった批判的な言説が飛び交うことがあります。しかし、この見方は音楽制作の実態と文化的な受容プロセスを見誤った誤解と言わざるを得ません。

音楽の歴史とは、共有された「フォーマット(型)」の上で、いかに独自のメロディ、歌詞、サウンドデザイン、歌唱表現を競い合ってきたかの歴史です。落語における古典落語の演目や、絵画における黄金比と同様に、カノン進行という強固な構造があるからこそ、アーティストは声の微細なニュアンスや歌詞の文学性に全霊を注ぎ込むことができます。

2020年代半ばから2026年に至る最新の音楽トレンドを見ても、カノン進行をベースにしながらハイパーポップのビートやLo-Fiな質感を掛け合わせるなど、新しい解釈による再定義が世界規模で進行しています。型をなぞることと手抜きであることは全くの別問題であり、優れたクリエイターほどその骨格を自在に乗りこなしているのです。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。