獪岳の「生き残るためなら他者を平然と犠牲にする性格」は、鬼殺隊に入るはるか昔、幼少期の壮絶な生い立ちに根ざしています。
身寄りのなかった獪岳は、かつて悲鳴嶼行冥が身寄りのない孤児たちを育てていた寺に身を寄せていました。しかし、寺の金を盗んだことが発覚して追い出されそうになった夜、山で遭遇した鬼に遭遇します。自分が助かるために「寺の子どもたちを喰わせる」約束を交わし、寺の結界である藤の花の香炉を消して鬼を招き入れた張本人こそが幼き日の獪岳でした。
この凶行が悲鳴嶼の悲劇的な運命の引き金となっており、物語全体を貫く巨大な伏線となっています。幼少期の回想から青年期、そして鬼化に至るまで、一本筋の通ったエゴと狡猾さを細谷佳正は一貫した演技プランで表現し切っています。