本作の根底には、初期から一貫して仏教思想(特に浄土思想や密教、菩薩行の概念)が色濃く流れていました。フォスが辿った「七宝を集めて変容し、一万年の苦行を経て成仏・衆生救済に至る」という道筋は、まさに菩薩が修行を経て如来へと至るプロセスそのものです。
完結を迎えた際、SNSやレビューサイトでは読者から無数の考察と感情豊かな反応が寄せられました。主な反響には以下のようなものがあります。
- 「序盤の鬱展開に耐えて読み続けたが、ラストの圧倒的な静寂と美しさに言葉を失った」
- 「フォスが救われたのかどうかずっと考えていたが、小石たちとの対話シーンで涙が止まらなかった」
- 「『人間とは何か』という重厚な問いに対する、市川春子先生なりの完璧な解答」
読者の間では、あまりの過酷さに「地獄のような物語」と評された時期もありましたが、最終回を迎えたことで「人間という業の深さと、そこからの解脱を描き切った唯一無二の文学的コミック」として、2026年現在もその評価は揺るぎないものとなっています。