ネット上のQ&Aサイトなどでは、「通販で買って自分で付け替えれば安上がり」「百均の電池を加工して入れれば直る」といった無責任なアドバイスが散見されます。しかし、賃貸物件においてこれらを実行することは極めて危険です。
まず、第一の落とし穴が賃貸で勝手に火災報知器を交換するリスクです。集合住宅の中には、共用部の火災受信機と連動しているタイプや、1部屋で火災が発生した際に住戸全体へ信号を送る「ワイヤレス連動型」の警報システムが導入されている物件があります。入居者が独断でホームセンターの安価な単独型警報器を取り付けてしまうと、建物全体の安全ネットワークが断絶し、万一の火災時に重大な過失責任を問われる恐れがあります。
第二の盲点が火災報知器の専用リチウム電池交換方法を巡る問題です。火災報知器の内部電源は、一般的な単3・単4乾電池ではなく、専用のリード線とコネクタが一体成形された3Vの特殊リチウム一次電池(CR17450やCR-AGなど)が用いられています。家電量販店などの店頭では一般陳列されておらず、取り寄せには数日を要します。しかも専用電池単体の市場価格は1,500円〜2,500円程度。新品の本体一式が3,000円前後で購入できることを考慮すると、10年経過した古いセンサーにわざわざ割高な電池だけを再装填することは防災工学の観点からも推奨されません。