日本のサッカーファンの間では、依然として「東南アジアのリーグはレベルが低く、フィジカルも戦術も未熟なのではないか」というステレオタイプな誤解が一部に散見されます。しかし、現地のリアルなデータと競技環境を精査すると、そうした認識がいかに実態から乖離しているかが浮き彫りになります。
まず挙げられるのが、群島国家特有の過酷なアウェー遠征と気候条件です。インドネシアは東西約5,000キロメートルに広がる国土を持ち、アウェーゲームへの移動では飛行機の乗り継ぎや長時間のバス移動が常態化しています。さらに、気温33度以上・湿度80%を超える熱帯気候下でのナイトゲームやスコール直後のピッチコンディションなど、プレーヤーの体力を極限まで削る要素が揃っています。
加えて、年俸相場の高騰と外国人枠の拡大により、南米や欧州のトップリーグ経験者が多数参戦している点も見逃せません。単なるフィジカル勝負ではなく、高度な個の打開力を持つ外国人助っ人と、代表強化で急成長を遂げたローカル選手が融合しており、Jリーグや欧州中堅リーグの選手であっても順応に苦しむケースが珍しくありません。「簡単に対戦相手を圧倒できる」という安易な先入観は、現地のハイレベルなインテンシティ(プレー強度)によって完全に覆されています。