定価1,600円(税抜・当時)という手頃な価格帯でありながら、デパコス級の圧倒的なハイカバー力を誇り、多くのコスメフリークを虜にしたケイト シークレットスキンメイカーゼロ。それほどまでに売れていた商品が、なぜ突如として終売を迎えることになったのか、ネット上では様々な憶測が飛び交いました。
一部の掲示板やSNSでは「有害な成分が含まれていて自主回収されたのではないか」「海外での規制に引っかかったのではないか」といった根拠のない風評被害に近い噂すら散見されました。しかし、カネボウ化粧品の公式開示情報および業界動向を追跡取材した結果、そうした安全性に関する問題は一切存在しなかったことが確認されています。
シークレットスキンメイカーゼロ 廃盤 理由の核心は、時代の変遷に伴う「ベースメイクのトレンド変革」と「製剤技術の世代交代」にあります。本品がリリースされた2017年は、完璧な陶器肌や人形のような隙のないフルカバーが支持を集めていた時代でした。しかし、2020年代に入ると生活様式が一変し、長時間のマスク着用が常態化。消費者が求めるファンデーションの条件は「厚みのあるハイカバー」から「肌と一体化する極薄の密着感」「マスクへの色移り防止(耐擦過性)」へと急速にシフトしました。
シークレットスキンメイカーゼロは顔料の濃度が高く、皮膜感のある設計だったため、擦れや高温多湿の環境下では「マスクへの付着」や「毛穴落ち」を指摘される場面が増えていました。そこで花王・カネボウ開発陣は、従来のカバー力を維持しながらも膜の薄さと高密着を両立する新ポリマー技術を開発。ブランドの屋台骨であるファンデーションラインを刷新すべく、惜しまれつつも勇退させるという経営判断が下されたのです。