デザインQRコードの導入企業が増加する一方で、ソーシャルメディアやレビューサイトにおけるQRコードデザイン評判とネットの反応を調査すると、エンドユーザー側からの不満の声も顕著に見受けられます。
「飲食店のテーブル決済用QRコードが凝ったイラスト調になっており、暗い店内で何回カメラをかざしても反応せず店員を呼ぶ羽目になった」「オシャレすぎてどこが読み取り部分なのか一瞬わからなかった」といった体験談が多数投稿されています。
ここには、認知心理学における「アフォーダンス(行為の手がかり)」と「シグニファイア」の断絶が存在します。人間は「四角い枠の中に白黒のドットが並んでいる形状」を一目見て「これはスマートフォンで読み取るものだ」と即座に無意識下で認識(メンタルモデルの適用)します。デザイン性を過度に優先してセルの境界をぼかしたり、幾何学模様化しすぎたりすると、ユーザーの脳内で「QRコード」としての認識が遅れ、スキャン行動そのものを躊躇させる心理的フリクション(摩擦)が生じます。
特に決済、会員証提示、医療機関の問診票など「正確性とスピードが最優先される動線」においては、過度な視覚装飾はユーザーエクスペリエンス(UX)を著しく損なう結果となります。