照射の痛みを乗り越えた初心者を次に襲うのが、「泥棒髭」と呼ばれる特有のダウンタイム現象です。施術を受けた数日後、掲示板には「脱毛したはずなのに前より髭が濃くなって青黒い」「泥棒コントのキャラクターみたいになって外出できない」というパニック混じりの投稿が投下されます。
泥棒髭の期間と経過には明確な生体メカニズムが存在します。強力な熱エネルギーを受けた毛根内の毛は、炭化して膨張し、一時的に縮れて皮膚の表面に押し出されてきます。さらにレーザー照射による皮膚の熱浮腫(軽微な炎症・むくみ)が重なることで、毛が皮膚に埋もれて剃りにくくなり、普段より濃く見えてしまうのです。この状態は通常、照射後1日〜10日程度継続します。
この期間中に焦って毛抜きで抜いてしまうと、毛周期が狂ってレーザーの効果が著しく下がるだけでなく、毛嚢炎などの深刻な皮膚トラブルを引き起こします。施術から10〜14日が経過すると、炭化した毛が洗顔時などに自然とポロポロ抜け落ちる「ポロポロ期」が訪れ、一気に視界が開けるようなスッキリ感を味わえます。この経過をあらかじめ知識として持っているかどうかが、途中で挫折しないための分水嶺となります。