内閣制度が発足した1885年12月22日、初代内閣総理大臣・伊藤博文の誕生によって、太政官制から近代内閣制度への移行が完了しました。当時44歳2か月という若さでトップに立った伊藤は、大日本帝国憲法の制定や議会開設の主導など、立憲国家の土台を築き上げました。
近代日本の歩みは、大きく4つの時代区分に整理できます。第一は、長州・薩摩の藩閥有力者が交代で政権を担った「明治・大正初期の藩閥政治期」。第二は、原敬の本格的政党内閣や加藤高明らによる普通選挙法成立に代表される「大正デモクラシー・政党政治期」。第三は、五・一五事件以降の軍部台頭と戦時統制が進んだ「昭和戦前期」。そして第四が、日本国憲法下でサンフランシスコ平和条約や高度経済成長、冷戦終結を経験した「戦後・現代の議院内閣制期」です。
歴代の顔ぶれを振り返ると、首相の任命理由と就任経緯は憲法体制とともに劇的に変化しました。戦前は天皇の信任を受けた「元老」の推薦によって大命降下が行われていましたが、日本国憲法下の戦後政治では、国会議員の中から国会の議決によって指名される完全な議院内閣制へと刷新されました。この権力正統性の変化が、歴代総理の政治行動や政権維持戦略に決定的な差異を生み出しています。