渋谷区神南は、長年にわたりセレクトショップやアパレルブランドがひしめく日本のトレンド発信地だった。しかし、近年の都市開発の波と多様化するワークスタイルの変化に伴い、街のあり方自体が問い直されている。若者がただ服を買いに訪れる場所から、アイデアを生み出し、長期的に滞在する場所へ。神南の路地裏に佇む建築群は、その構造的価値を保ちつつ、次世代の都市インフラへと役割を更新しつつある。
今回のプロジェクトは、そうした神南の歴史的コンテキストを尊重しながら進められた。コンクリートの骨組みや経年変化した素材の味わいを活かしつつ、内部には超高速の通信環境と環境負荷を極限まで抑えた空調システムを配備。古いものと新しいものが矛盾なく同居する光景は、東京の都市再生における一つの解を示している。