心霊スポットと呼ばれる場所には、往々にして過去の凄惨な事件や事故の記憶が結びつけられます。では、「大雪青年の家 事件 事故」に関する公的な記録や報道事実は存在するのでしょうか。
自治体や報道各社のアーカイブ記録を調査した結果、大雪青年の家の施設内において、殺人事件や集団食中毒、凄惨な死亡事故などの記録は一切確認されていません。それにもかかわらず、なぜこのような不穏なイメージが定着してしまったのでしょうか。背景には2つの大きな要素が存在します。
第1に、施設が位置する「美瑛町 白金温泉」周辺および大雪山国立公園一帯の過酷な自然環境です。大雪山系は夏でも急激な天候悪化により遭難事故が発生する厳しい山岳地帯であり、活火山である十勝岳の噴火史や過酷な気象条件が、人々に畏怖の念を抱かせてきました。山岳地帯特有の突風や木々のざわめき、夜間の冷え込みによって生じる建物の軋み(家鳴り)が、都会では体験できない「大雪山 怪奇現象」として知覚されたと考えられます。
第2に、北海道内の他施設との「情報の混同」です。北海道内には深川市などに「青年の家」と呼ばれる廃墟スポットが存在し、そこでは「少女の幽霊が現れる」といった心霊譚が流通しています。ネット検索や掲示板のまとめ記事において、これら別地域の廃墟情報と美瑛町の国立施設が混同され、誤った心霊情報が生成・拡散された経緯が浮き彫りになっています。