江利チエミといえば、美空ひばり、雪村いづみと共に「三人娘」として一世を風靡した昭和の歌姫である。歌謡曲の黄金期を牽引した彼女たちは、ライバルでありながら固い友情で結ばれていた。特に美空ひばりは、私生活のトラブルに苦しむ彼女の姿を誰よりも心配し、陰ながら支え続けたという。
『サザエさん』で見せる明るくコミカルな笑顔の裏で、彼女は一人で巨額の借金を返済するために全国をドサ回りする厳しい日々を送っていた。弱音を吐かず、歌手としてのプライドと元夫への愛を貫き通そうとする彼女の姿に、周囲の親しい友人たちも胸を痛めていた。