右腕に時計をつける行為は、心理的な側面だけでなく、物理的な合理性にも裏打ちされている。最もわかりやすい例は左利きの人々だ。右手でペンを握り、左手で作業を行う左利きにとって、左腕の時計は筆記時に机と干渉し、ストレスの原因となる。右腕に巻くことで作業性が格段に向上するのだ。
一方で、右利きでありながら右腕を選ぶ人も少なくない。キーボード入力やデスクワークが多い現代において、左腕のリューズが手の甲に食い込む不快感を嫌う人が増えている。また、利き腕である右手に大事な時計を装着することで、無意識に危険を察知し、壁や家具にぶつけるリスクを減らせるという意見もある。日常生活の些細なストレスを軽減するための工夫が、右腕装着という選択に結びついている。