トロッコ問題の答えとは?1人犠牲で5人救う合理的根拠とAi倫理の真相

トロッコ問題の答えとは?1人犠牲で5人救う合理的根拠とAi倫理の真相

トロッコ問題の答えとは?1人犠牲で5人救う合理的根拠とAi倫理の真相に関するポイントを分かりやすくまとめました。詳細な解説をご覧ください。

日本国内でこのジレンマが広く認知された大きな契機は、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授による講義を収めたNHKの番組『白熱教室』でした。トロッコ問題マイケルサンデルの白熱したディベートを通じて、多くの視聴者が「正しい行いとは何か」という根源的な問いを突きつけられました。

思考実験の原型は極めてシンプルです。何もしなければ5人が確実に死亡する状況で、あなたがレバーを引けば、進路が切り替わり1人の犠牲で済みます。この状況において、大半の人間は「1人を犠牲にしてでも5人を救うべきだ」と判断します。救われる命の数が1人から5人に増えるという明確な純利益が存在する以上、この判断は極めて合理的です。

ところが、哲学者ジュディス・ジャーヴィス・トムソンが派生形として考案した「歩道橋の男」のケースを提示されると、人々の態度は一変します。暴走するトロッコを止める唯一の手段として、線路を見下ろす歩道橋の上にいる見知らぬ大柄な男を突き落とすというシナリオです。結果として生じる事象は「1人の命と引き換えに5人が助かる」という全く同じトレードオフであるにもかかわらず、突如として9割前後の人々が「許されない行為だ」と拒絶反応を示すのです。

小林 直樹
著者

小林 直樹

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