資格を取得した現役高校生や卒業生、そして日々彼らの進路を支援する現場では、どのような声が上がっているのでしょうか。オープンキャンパスでの聞き取り取材や、SNS・掲示板等に寄せられた生の体験談を検証します。
2025年度の入試で都内有名私立大学の総合型選抜に合格した元高校生は、手記のなかで次のように振り返っています。
「普通科で目立った課外活動がなかった私にとって、高校2年の夏休みに独学で取得したITパスポートと英検2級が唯一の突破口でした。志望理由書に『高校で情報と英語の基礎を体系的に身につけ、大学では社会情報学を深めたい』と書いたところ、面接官から『自発的に勉強できる姿勢が素晴らしい』と深く掘り下げてもらえました。評定平均がボーダーギリギリだっただけに、資格がなければ合格はあり得なかったと確信しています」(都内私立大1年・女子学生)
一方、地方の工業高校で進路指導を担当する教諭は、採用市場における空気感の変化を指摘します。
「かつては『元気と体力があれば採用される』と言われていた製造業の現場でも、工場の自動化やDXが進んでいます。履歴書に乙4やITパスポートの記載がある生徒は、内定受託率が目に見えて高い。面接官からは『入社後に教え込まなくても自ら国家資格を狙える学習体力がある』と評価されます。資格は単なる知識の証明ではなく、努力を継続できる人間性の証明として機能しているのです」(大手製造業への就職実績を持つ工業高校・進路指導主事)
このように、資格単体で評価されるのではなく、「高校生活という制約の多い時間の中で、いかに自己管理を行って合格に到達したか」というプロセス自体が高く買われている実態が浮き彫りになっています。