無免許運転の悲劇を防ぐため、道路交通法はハンドルを握った本人だけでなく、その周囲で違反を助長した人間に対しても極めて重い罰則を網羅しています。過去の痛ましい死傷事故を契機に法改正が進められ、現在では「車を貸した側」と「頼んで乗せてもらった側」にも容赦のない刑事罰と行政処分が科されます。
まず、無免許であることを知りながら(あるいは容易に知り得べき状況で)車両を提供した場合、提供者本人には「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」が科されます。これは運転者本人と全く同じ法定刑です。さらに行政処分として、車両提供者自身の運転免許も「運転者と同じ違反点数(25点)」が加算され、一発で免許取り消し処分となります。「友人が困っていたから貸した」「家族だから鍵の置き場所を黙認していた」という弁明は、法廷では通用しません。
また、運転者が無免許であることを知りながら運転を依頼・要求し、その車に同乗した者に対しても、「2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金」が規定されています。行政処分においても同乗罪による点数が科され、免許停止や取り消しの対象となります。会社の業務中に部下が無免許運転を行っていた場合、運行管理者や企業自身も使用者責任および両罰規定に問われ、営業車両の使用停止処分や社会的な信用の失墜という壊滅的な打撃を被ることになります。