童貞という言葉をめぐる苦痛の本質は、男性自身が内面化した「ヘゲモニック・マスカリニティ(支配的男性性)」にある。男は能動的で、性的に貪欲で、経験豊富でなければならないという規範は、経験のない男性を苛むだけでなく、パートナーとなる他者を性的な征服の対象として見なす暴力性にも繋がりかねない。
ジェンダー研究が照らし出すのは、性経験の有無によって人間の価値を序列化する「性経験至上主義」そのものの無意味さだ。経験があろうとなかろうと、個人の尊厳には何の影響もない。他者と交わる時期や形態、あるいは交わらない選択をする権利は、完全に個人の自己決定に委ねられるべきである。記号に怯える時代を終わらせ、生身の自分自身を生きること。それこそが、この言葉に張り付いた亡霊を祓う唯一の道なのだ。 (出典: 童貞 と は(Yahoo!ニュース))
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