回復期において最も警戒すべきは、「もう熱がないから汗を流してスッキリしよう」という誤ったセルフケアです。民間療法で語られがちな「運動やサウナで汗をかけば早く治る」という言説には医学的根拠がなく、むしろ風邪ぶり返し症状を引き起こす最大の引き金になります。
発熱後の身体は、脱水傾向にあるうえにグリコーゲンやアミノ酸などのエネルギー貯蔵が底をついています。この状態で筋トレやジョギングなどの治りかけの運動やお風呂(特に41度以上の長湯や長時間のサウナ)を行うと、体温調節機能に急激な負荷がかかり、体内の貴重な修復用リソースが筋肉や放熱処理へと奪われてしまいます。
その結果、気道粘膜の局所免疫(IgA抗体など)が急激に低下し、まだ死滅していなかったウイルスが再増殖したり、肺炎球菌などの常在菌による二次感染を起こして、再び高熱や重い咳症状を発症する事態に陥ります。入浴はぬるめ(38〜40度)の湯船に10分以内にとどめるか、軽いシャワーで済ませ、湯冷めを徹底的に防ぐことが鉄則です。