北浜の象徴ルポンドシエルビルの現在と移転の真相|築100年の全貌

北浜の象徴ルポンドシエルビルの現在と移転の真相|築100年の全貌

北浜の象徴ルポンドシエルビルの現在と移転の真相|築100年の全貌の基本情報から最新動向までを一挙に解説しました。

ルポンドシエルビルの歴史を紐解くには、まず「旧大林組本店ビル」としての出自を知る必要があります。1892年(明治25年)に大阪の地で創業した大林組が、業容拡大に伴って自社設計・施工で建設した本格的な自社ビルがこの建物です。設計を担当したのは、当時の大林組設計部を率いた今林彦太郎や小川安一郎ら実力派の建築家たちでした。

外観の最大の特徴は、当時流行していたスパニッシュ・ロマネスク様式を取り入れた装飾美です。外壁を覆う温かみのある茶褐色のスクラッチタイル、窓周りやコーニスに施された繊細なテラコッタ(装飾陶器)、上層階の優美なアーチ窓、そして屋上にそびえる特徴的な塔屋など、細部に至るまで職人技の粋が集約されています。

意匠の美しさだけでなく、構造面でも当時の最先端技術が注ぎ込まれました。1923年の関東大震災の教訓を踏まえ、強固な鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC造)を採用。土佐堀川に面した地盤条件を克服するために頑強な基礎が組まれました。1973年に本店機能が現在のタワービルへ移転するまでの約半世紀にわたり、日本の近代建設業の発展を力強く支え続けた舞台そのものです。

加藤 愛美
著者

加藤 愛美

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。