首の悪性リンパ腫を疑って画像検索を行うと、臨床報告や症例集には「皮膚の下からポコッと卵大に盛り上がった病変」や「左右非対称に大きく腫れ上がった頸部」の写真が数多く表示されます。これらの症例写真から読み取れる最大の外見的特徴は、皮膚の表面に赤み(発赤)や熱感がほとんどなく、正常な皮膚色を保ったままドーム状に隆起している点です。
風邪や虫歯、扁桃炎などに伴って起こる「急性リンパ節炎」では、細菌やウイルスと免疫細胞が激しく戦うため、皮膚が赤く腫れ上がり、触れると熱を持ちます。一方、悪性リンパ腫の症例画像では、皮膚そのものに炎症反応が波及していないケースが大半を占めます。頸部の片側、特に「胸鎖乳突筋(首を傾けたときに浮き出る太い筋肉)」の内側や後ろ側、あるいは鎖骨の上にあるくぼみ(鎖骨上窩)に、単発または複数の結節として現れます。
画像検索の症例写真を眺めて「自分のしこりは写真ほど大きくないから大丈夫」「形が違うから良性に違いない」と自己判断を下すのは極めて危険です。ネット上に掲載されている典型的な症例写真は、診断が確定した段階や、病変が進行して目に見えるレベルまで巨大化した「進行期の画像」が圧倒的に多いためです。初期段階の悪性リンパ腫は、外見上の皮膚変化が全く目立たず、指で深く押し込んで初めて小豆大やウズラの卵大の塊を触知できるケースが珍しくありません。