ボーナス手取りが激減する真相は?賞与の所得税計算と前月給与の罠

ボーナス手取りが激減する真相は?賞与の所得税計算と前月給与の罠

ボーナス手取りが激減する真相は?賞与の所得税計算と前月給与の罠について押さえておきたい 理由を厳選して解説いたします。

ボーナスの支給月になると、X(旧Twitter)やYahoo!知恵袋などのオンラインコミュニティでは、判を押したように手取りに対する悲痛な叫びが拡散されます。「額面80万円あったのに手取りが60万ちょっとしかない」「国にボーナスを強奪された」といった怨嗟の声は、毎年の恒例行事と化しています。

現場のリアルな投稿を分析すると、不満の矛先は「高い税金」に向けられがちです。しかし、給与明細を細かく読み解くと、読者の多くが見落としている決定的な事実に行き当たります。それは、「ボーナスからは住民税が1円も引かれていない」という事実です。

住民税は前年1年間の確定所得に対して課税される後払い方式を採用しており、サラリーマンの場合は前年分の税額を6月から翌年5月までの「毎月の給料(12分割)」から特別徴収する仕組みになっています。したがって、賞与から住民税が天引きされることは制度上ありません。

それにもかかわらず「税金が高すぎる」と錯覚してしまう理由は、厚生年金保険料と健康保険料という社会保険料の負担感が所得税の数倍規模に及んでいるためです。かつての日本には「総報酬制」が導入されておらず、賞与からの社会保険料負担は極めて軽微な時代がありました。2003年の法改正以降、賞与からも月給と同率の社会保険料を徴収する枠組みへと移行した経緯があり、この痛烈な社会保険料負担こそが、ネット上で叫ばれる「手取り激減」の真の正体です。

加藤 愛美
著者

加藤 愛美

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。