京都芸術センターの根幹を支えているのは、単なる箱モノの保存ではなく、生きている芸術創造のインフラとしての機能です。その中核を担うのが、年間を通じて世界中からクリエイターを招聘する「アーティスト・イン・レジデンス(AIR)」プログラムです。
旧教室を改装した制作室(アトリエ)では、公募によって選ばれた新進気鋭の美術家、振付家、演出家、批評家が無償で制作に没頭できる環境が提供されています。アーティストが単に京都に滞在して作品を作るだけでなく、地域住民や子どもたちとの交流を目的としたワークショップやトークイベント、オープンスタジオが頻繁に開催される点が最大の特徴です。
2026年の展覧会プログラムにおいても、ギャラリー南・北を中心に、環境問題、人工知能と身体性、地域コミュニティの記憶などをテーマにした先鋭的な現代美術の企画展が展開されています。美術館のような巨大なホワイトキューブではなく、あえて教室の窓や柱の凹凸といった歴史の痕跡と対峙しながら制作されたサイトスペシフィック(場に固有)なインスタレーションは、ここでしか体験できない独自の迫力を鑑賞者に提示しています。