この変化は一時的なムードではない。数字がそれを雄弁に物語っている。長年にわたり新生児の名前調査を続けている明治安田生命のデータを見ると、過去10年で男女双方のトップ10に入り込むようなジェンダーニュートラルな名前に票が集中する傾向が年々強まっている。
さらに、ベネッセコーポレーションが発表する「たまひよ名前ランキング」の分析結果も同様の傾向を示している。かつてのように「男の子らしさ」「女の子らしさ」を前面に出した漢字選びではなく、音の響きや自然の美しさを重視する親の意識が如実に表れているのだ。
この現象は、育児・ベビー用品産業の現場にも直接的なインパクトを与えている。ベビー服や部屋のインテリア、さらにはランドセルに至るまで、性別で色を分ける従来のマーケティング手法は影を潜めた。ニュートラルカラーやオーガニックデザインが主役となった市場環境と、現在の名付けのトレンドは完全に同期している。