ネット検索で頻繁に目にする「飼いにくい」という評価や、極端な事例として語られる「凶暴化」という言説。取材を進めると、そこには犬種特有の成長スピードと、飼い主側の認識不足が生み出す深刻なミスマッチが存在していました。バーニーズマウンテンドッグが飼いにくい理由として現場から最も多く挙がるのは、幼少期から若犬期(生後6ヶ月〜2歳頃)にかけての爆発的なエネルギーと体重の急激な増加です。
生後数ヶ月で小型犬の成犬サイズを軽々と超え、1歳を迎える頃には30kg以上に達します。精神的にはまだ無邪気な子犬であるにもかかわらず、肉体はすでに大人の屈強な使役犬です。喜びのあまり飼い主に飛びついただけで成人を転倒させ、家具を噛み砕く力を持っています。このギャップに直面した初心者飼い主がパニックに陥り、「温厚なはずなのに暴れん坊で手がつけられない」と音を上げてしまうケースが典型的なパターンです。
また、バーニーズマウンテンドッグの凶暴化の真相を追究すると、先天的・遺伝的な攻撃性による事例は極めて稀であることが判明しています。多くのドッグトレーナーが証言するように、実態は「恐怖心や警戒心による防衛的リアクション」または「過剰な興奮状態の暴走」です。子犬期の社会化不足によって外部刺激に怯え、パニックを起こして唸る、あるいは幼少期のバーニーズマウンテンドッグの噛み癖対策を怠った結果、成犬になってもじゃれ噛みを制止できず大怪我に繋がるといった構造的欠陥が、外見上の「凶暴化」として誤認されているのが真実です。